あなたが「飛蚊症」を初めて知った時、
「それって眼病なの?」
「目がヤバい?失明するの?」
そんな不安に襲われると思います。
そもそも飛蚊症とは一体何か?
恐ろしい眼病なのか?
なぜ飛蚊症になるのか?
実際に飛蚊症と付き合っている管理人が、これらの点について解説します。
飛蚊症を正しく知ることで、その対策や予防方法を導くことができます。
では、飛蚊症とはいったい何でしょう?
目次
飛蚊症とは何か?
いつの頃からかはっきりしないけど、目の前に蚊やホコリのようなものが飛んで見えたり、雲のようなものが浮かんで見えたりすることがあります。
しかしそれは、実際に目の前の空間を蚊やホコリが横切ったわけではありません。
雲が浮かんでいるわけではありません。
現実には目の前には蚊もホコリも存在していません。
実在のものではないというのは、確かな証拠があります。
それは、しょっちゅう同じ形の蚊やホコリ、雲が見えるという事実です。
そしてそれは、1ヶ月後も2ヶ月後も変わらずに見えています。
何ヶ月にもわたり、全く同じ形のホコリが目の前を横切るという偶然はあり得ません。
ということは、これは実在するホコリではないのです。
実際には存在しないはずのホコリが網膜に映っているのです。
カメラならフィルムに相当する
網膜に映る幻の像
なぜ実在しない幻のホコリが網膜に映るのか?
この点を説明するには、まず目の構造を理解する必要があります。
私たちの目は、眼球と呼ばれ丸い形をしています。
空気に触れている最も外の部分が角膜です。
そして、虹彩、水晶体と続き、眼球の中で大きなスペースを占める硝子体があり、その奥に網膜があります。
眼球の働きは、よくカメラに例えられます。
実は、カメラは私たちの眼球を模して作られたものなのです。
眼球を構成する「部品」をカメラの「部品」と比較してみましょう。
水晶体はレンズです。
外から入ってきた光(映像)は水晶体というレンズで屈折されて、ちょうど網膜で像を結ぶように調節されます。
水晶体を厚くしたり、薄くする調節を毛様体筋の収縮によってチン小帯をゆるめておこなわれます。
この遠近の調節がうまくできなくなり、網膜の前で像が結ばれるのが近視で、網膜の後ろで像が結ばれるのが遠視です。
水晶体の奥にある硝子体はカメラでは暗箱にあたります。
さらにその奥にある網膜はフィルムに相当します。
水晶体、硝子体を通って眼球の奥に進んだ光(映像)は、フィルムに相当する網膜で像を結びます。
言い換えるなら、「網膜に映る」ということです。
網膜に映った映像は情報化され、眼球に接続している視神経によって脳へ届けられます。
そしてその情報を脳が処理することで、風景やモノ、カタチを認識できます。
しかし、この機能に異常が発生することがあります。
前述したように、水晶体、つまりレンズの調節機能に異常が起きると、正確に網膜に像を結ぶことができなくなり、近視や遠視になります。
なぜ飛蚊症になるのか?
結論からいうと、飛蚊症は硝子体に異常が起きることで発生します。
硝子体は本来、透明なものですが何らかの原因で混濁してしまうことがあります。
硝子体の一部が濁り、その部分が影として網膜に映ります。
この影が蚊やホコリ、雲のような形となり目の前に表れるのです。
これが飛蚊症の正体です。
この硝子体の濁りは実際には目の中にあるので、目を動かすと一緒に動いて見えるのです。
実際には飛んでいませんが、視覚的に飛んで見えているというわけです。
飛蚊症はだれでも起きる?
硝子体の混濁の原因は、先天的・後天的な場合があります。
先天的な原因で多いのは、生まれつき硝子体の一部が混濁しているケースです。
硝子体には血管は通っていませんが、胎児の時期には血管が走っています。
この血管は出産までには消滅するのですが、しばしばその一部が硝子体に残ってしまうことがあります。
先天的に硝子体の一部が混濁しているわけです。
この混濁している部分が網膜に映れば、蚊やホコリのようなものが見えます。
ただ、この場合は視力に異常がなければ放置していても問題ありません。
時々検査をして異常が出ないかぎり、治療の必要はありません。
また遺伝的に硝子体に異常が起きるとも言われています、
後天的な原因として最も多いのは老化です。
老化という避けようがない現象で、硝子体も老化による劣化で混濁が生じます。
これはいづれは誰でもが発生する可能性がある飛蚊症です。
中高年で飛蚊症の症状があらわれた人のほとんどがこのケースです。
まれに、10代20代の若い世代でも硝子体の劣化により飛蚊症が起きることもあります。
ただし、中高年で飛蚊症が現れた場合は、網膜裂孔や網膜剥離という失明につながりかねない眼病へと発展することもあるので注意が必要です。
飛蚊症に気づいたら眼科で検査
飛蚊症とは一体何か?
そんなことについて解説してきました。
あなたの飛蚊症が先天的なものなのか。
後天的なものか。
どちらにしても、多くの場合は心配をする必要はありません。
ただ重大な眼病の予兆ということも否定できません。
ですから、飛蚊症に気づいたら、まずは眼科で検査を受けることが大切です。
精密検査による眼科医の正確な診断を受けるようにしてください。